表皮水疱症とは

知っておきたいこと

表皮水疱症はどうやって診断するの?

生まれてすぐ、または新生児期に水疱(水ぶくれ)やびらん(ただれ)が繰り返しできる場合は、EBの可能性が考えられます1, 2。表皮水疱症(EB)の診断では、いくつかの検査を段階的に組み合わせて行います。それぞれの検査でわかることには違いがあります。そのため、問診やさまざまな検査結果をもとに、ほかに考えられる疾患を除外し、これらの情報を総合して、確定診断や病型(分類)の診断が行われます。

他の疾患の可能性を除外するために、また、EBの病型を診断するためには、びらんが起きている部分の皮膚を採取(皮膚生検※1)して検査を行う必要があります2。採取した皮膚に対して、①HE染色による観察、②タンパク質の免疫染色による観察(蛍光抗体法)、③電子顕微鏡による観察(電顕検査)などを行います。生検の結果と臨床症状をもとに、主な4つの病型のうちどの型に該当するかの診断がなされます。また、正確な病型診断のために遺伝子検査を行います。

  1. ※1皮膚生検
    局所麻酔をして円筒状のメスで皮膚をくりぬき、病変の一部を採取する検査方法です。10~30分で終わる短時間の検査になります。検体採取の際にできた傷は1~2針縫って閉じるか、軟膏や貼付剤を貼ることで治療します。

HE染色による観察

2種類の色素を使って細胞の核と核以外の組織を染め分け、顕微鏡で観察します。細胞の形や配置が正常か正常とどう異なるかを調べることができます。この検査は、ほかの疑われる病気ではないことを確認するために行われます。ただし、HE染色だけで、EBの病型を区別することはできません2

タンパク質の免疫染色による観察(蛍光抗体法)2

皮膚の「骨組み」や「のり」の役割を担うタンパク質(7型コラーゲン、17型コラーゲン、BP230、プレクチン、α6インテグリン、β4インテグリンなど)の抗原に対する専用の抗体を使い、患者さんから採取した皮膚組織を蛍光色素で染めて観察します。これらの抗体は通常、基底膜の部分に沿って線状に光るのが特徴です。どのタンパク質が光るか、またその光り方や場所の違いなどから、水疱ができる3つの主要な病型のうちどれに当てはまるかを判断することができます。

電子顕微鏡による観察(電顕検査)

電子顕微鏡は微細な構造を観察できる顕微鏡であり、μmマイクロメートルからnmナノメートル(細胞一つから原子配列)レベルまでの観察が可能です3, 4。この検査では、水疱がある場所を詳しく調べたり、皮膚を構成するタンパク質や細胞同士をつなぐ構造などに異常がないかを確認します。これらの観察結果から、EBの病型を見分けることができます2

遺伝子検査

特に重症型の場合、遺伝子検査は重要になります。患者さんの将来の経過予測、今後お子さんが生まれた際にEBになる可能性を調べることが選択肢となります2。また、遺伝子検査は保険が適用されるようになったため、他の検査より先に行うこともできます1

参考文献

  1. 1)石河 晃. 皮膚科. 2024 ; 5(1) : 15-21.
  2. 2)石河 晃, 吉田憲司. 皮膚科の臨床. 2017 ; 59(6) : 822-829.
  3. 3)日本分析機器工業会. 透過電子顕微鏡の原理と応用 日本分析機器工業会HP https://www.jaima.or.jp/jp/analytical/basic/em/tem/
  4. 4)日本分析機器工業会. 電子顕微鏡の原理 日本分析機器工業会HP https://www.jaima.or.jp/jp/analytical/basic/em/principle/
監修
夏賀 健(なつが けん)先生
北海道大学大学院 医学研究院 皮膚科学教室 准教授

監修医について

表皮水疱症を治療中、または治療予定の患者さん・ご家族の皆さまへ

生活の上で注意すべき点や、副作用、治療方法などをご説明いたします。
患者さんとそのご家族の皆さまのみ、ご覧いただけます。

ページを見る(患者さん・ご家族の皆さま専用)